7.お中道

北麓
コース
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お中道(ちゅうどう)とは?

 霊峰とあがめられる富士山では、中世以降になると修験者による信仰登山が行われるようになりました。江戸時代には、集団で信仰登山をおこなう「富士講」が一般の民衆の間に流行し、数えきれないほどの人が富士山に登ったのです。
 富士山の山頂火口を「お鉢」といい、五合目付近(標高2400mあたり)を一周するルートを「お中道」といいますが、富士講の人々は山頂の浅間大社奥宮に参拝するほか、お鉢めぐりや、お中道回りをするのがふつうでした。
 ところが、富士山の西斜面にできた浸食谷「大沢崩れ」が年々拡大し、お中道付近は100m以上の絶壁になってしまったため、とても上り下りすることはできなくなりました。このため、現在のお中道は大沢崩れの部分で通行止めとなっています。

お中道から大沢崩れへ

 富士砂防事務所では、大沢崩れの状況を市民に知ってもらうため、お中道の富士スバルラインから大沢崩れまでの区間を利用した「富士大沢崩れと御中道見学会」を毎年開催しています。
 富士スバルラインの奥庭駐車場を出発し、御庭、滑沢(なめさわ)を経て「お助け小屋」に至るルートとなっています。

御庭

 富士山北西山腹の標高2300m~2400m付近に位置し、一帯には「御庭火口列」と呼ばれる側火山群が並んでいます。御庭火口列は、いまから約2000年前の噴火でできた割れ目火口です。かつての火口にあたる凹地の連なりと、溶岩のしぶき(スパター)が火口の周辺に降り積もってできた、なだらかな地形の高まり(スパター丘)が見られます。
 天気の良い日には山麓方面に本栖湖・精進湖・西湖の3湖や青木ヶ原樹海が見下ろせるほか、大室山や他の側火山群が北西?南東方向に並んでいる様子がわかります。
(北麓6の御庭火口列の項も参照)

滑沢(なめさわ)

 富士山には「八百八沢」といわれるほどたくさんの沢がありますが、滑沢は西の大沢崩れ、北の吉田大沢等に次ぐ代表的な沢の1つで、雪崩の通り道でもあります。
 滑沢付近で地面を観察すると、スコリア(たくさんの気泡を含む暗色の火山礫)に赤っぽい色のものと黒色のものが混在しているのがわかります。
 火口から噴出したスコリアは、粒が大きいと高温状態を保ったまま地表付近で空気と接し、中に含まれる鉄鉱物が酸化して赤色のヘマタイトという鉱物ができます。この現象を「高温酸化」といい、スコリアは赤くなります。一方、黒色のスコリアは、厚いスコリア層の中心付近に堆積したもので、空気に触れることがなかったため、高温酸化が起きなかったものです。
 滑沢付近で見られるスコリアは、約2200~2300年前に富士山の山頂火口から噴出したものです。
 また、滑沢で平成4年(1992年)12月8日に雪代が発生、この時は山梨県側の富士スバルライン、静岡県側の表富士周遊道路などが寸断される被害が生じました。

大沢休泊所(お助け小屋)と大沢崩れ展望台

 標高2300メートル。お中道のなかでももっとも大沢崩れに接近する位置に大沢休泊所(通称:お助け小屋)があります。
 お助け小屋は、昔からたくさんの登山者や調査・研究者はもとより、富士砂防事務所の源頭部工事担当者の宿泊所としても利用されてきました。
 またお助け小屋近くの大沢崩れ展望台はお中道最大のみどころ。富士山の山体を作った溶岩流の積み重なり(西麓4参照)を間近に観察できるビューポイントです。

源頭域の調査工事

 「お助け小屋」から約200m下った地点で、富士砂防事務所による調査工事が行われています。調査工事では、大沢崩れ対策として本格的な工事を実施するに先だって、施工した施設が富士山特有の厳しい気象条件にも耐えられるか、高標高・急斜面・低温地域での工事の安全管理をどうするか、工事による自然環境への影響はないか、などを調査する目的で、谷底での床固工や、山腹工、緑化植栽工などが行われています。
 また、ここの作業員は毎日、御中道入口からここまでの約3kmを1時間30分かけて通勤します。

周辺散策MAP

現地までの交通

[北麓コース]

河口湖インター下車、富士スバルラインから河口湖口五合目へ(約1時間 駐車場あり 夏季マイカー規制中はシャトルバスあり)
※富士スバルライン途中の奥庭駐車場からのお中道ルートもあり

バス

(1)新宿西口から富士山五合目直行の中央高速バス 他に新宿駅・東京駅から山中湖・河口湖行き高速バスで河口湖駅下車、駅より登山バス
(2)名古屋からの直通高速バス「リゾートエクスプレス」で河口湖駅下車、駅より登山バス

電車

JR中央線大月駅経由、富士急行線河口湖駅下車、駅より登山バス
お中道・・・河口湖口五合目‐‐‐〈約50分〉‐‐‐御庭‐‐‐〈約40分〉‐‐‐仏石流し‐‐‐〈約40分〉‐‐‐見晴台

お中道の情報はここでも調べられます

■富士急行

http://www.fujikyu.co.jp/fujitozan/index.html

■国土交通省富士砂防事務所

http://www.fujisabo.go.jp/fuji_info/mamechisiki/c08/index.html

※HPに関する情報は、2009年2月現在のものです。HP製作者等の都合・事情等によって閉鎖・更新されるなど、ご覧になれない可能性もございますことをご承知おきください。

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富士急静岡バス(株) TEL.0545-71-2495
富士急山梨バス吉田営業所 TEL.0555-22-7131