4.大沢崩れ

西麓
コース
4


大沢崩れを拡大させるもの


 大沢崩れでは、現在も毎年平均約15万立方メートルの土砂が崩れ落ちて、拡大を続けています。なぜ大沢崩れでは活発な崩壊が進んでいるのでしょうか。
 大沢崩れでは、毎日のように崩落が起きていますが、崩落によっていったん上流部に堆積した土砂は大雨が降ると土石流となり、谷をさらに削り取って下流に流れていきます。
 ふつう土石流が発生するのは梅雨時や台風シーズンですが、大沢崩れではおもに春先や初冬に大雨が雪を溶かすことによる土石流(雪代と呼ぶ)が発生します。この時期には、山頂から標高2800mあたりまで地面の表層が凍っているため、雨がしみこまずに地表を流れてしまうことも、土石流の規模を大きくする原因になっています。

大沢崩れの将来

 現在、大沢崩れの左岸は急傾斜になっていて、活発に崩落が起きています。昭和46年(1971年)と平成14年(2002年)に撮影した空中写真を分析した結果、主に左岸では今後も岩盤が崩落し、今後100年間で幅100m、200年間で幅200mくらいまで谷が広がると予想されます。200年後、大沢崩れは山頂に向かって大きく開いた扇型になっていることでしょう。大沢崩れの全斜面から崩落する土砂の量は、今後100年間で1000万立方メートルにもなると考えられます。

注:100年後および200年後の大沢崩れは、過去30年間の計測結果に基づき、徐々に崩壊が拡大していくことを想定したものです。東海地震等によって大崩壊が発生することは想定していません。また、御中道付近の峡谷は拡大予測の資料がないため、現況とほとんど変えていません。

大沢崩れ崩壊のメカニズム(富士砂防事務所 作画)

 大沢崩れは、どのような過程を経て崩壊しているのでしょうか。

(1) 富士山源頭域の地質は、もろいスコリア層と硬い溶岩層がまるでサンドイッチのように、互い違いに組み合わされて形成されています。

(2)  風雨や気温の変化などで、まず溶岩のまわりのスコリアが流れ出し、つぎに硬く重い溶岩部分が崩れはじめます。

(3)  このような現象が限りなく繰り返され、崩れが広がり続けます。崩れた岩や砂は、大沢川の谷底にたまります。そして、洪水時に下へと流されていきます。

周辺散策MAP

現地までの交通
[北麓コース]

河口湖インター下車、富士スバルラインから河口湖口五合目へ(約1時間 駐車場あり 夏季マイカー規制中はシャトルバスあり)
※富士スバルライン途中の奥庭駐車場からのお中道ルートもあり

バス

(1)新宿西口から富士山五合目直行の中央高速バス 他に新宿駅・東京駅から山中湖・河口湖行き高速バスで河口湖駅下車、駅より登山バス
(2)名古屋からの直通高速バス「リゾートエクスプレス」で河口湖駅下車、駅より登山バス

電車

JR中央線大月駅経由、富士急行線河口湖駅下車、駅より登山バス
お中道・・・河口湖口五合目‐‐‐〈約50分〉‐‐‐御庭‐‐‐〈約40分〉‐‐‐仏石流し‐‐‐〈約40分〉‐‐‐見晴台

大沢崩れの滝の情報はここでも調べられます

■国土交通省富士砂防事務所

http://www.fujisabo.go.jp/fuji_info/q_and_a/01.html

■富士山NET

http://www.fujisan-net.jp/data/article/117.html

※HPに関する情報は、2009年2月現在のものです。HP製作者等の都合・事情等によって閉鎖・更新されるなど、ご覧になれない可能性もございますことをご承知おきください。

■交通などのお問い合わせ

富士砂防事務所 TEL.0544-27-5221