1.富士山本宮浅間大社と湧玉池

西麓
コース
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御神体は富士山-富士宮浅間大社

 富士山を御神体としてまつっているのが、富士宮市にある富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)です。ここは、全国各地に数多くある浅間神社の「おおもと」となる大社です。
 神社の由来を記した「社記」によれば、富士山の噴火を鎮めるために「山足の地(山の麓)」に浅間大神(あさまのおおかみ)を祭神としてまつったのが、大社の始まりと伝えられています。
 浅間大神とは天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫であるニニギノミコトの妃、木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやびめのみこと)のこと。その威光で噴火は鎮まり、麓では人々の平穏な暮らしが戻ったといわれています。
 後に市内の山宮の地にまつられるようになったのですが、当初は社殿はなく、大同元年(806年)、平城天皇の命により坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が現在の地に社殿を建てて、浅間大神を迎えたと言われています。現在の浅間造りの本殿や入母屋造りの拝殿は慶長9年(1604年)に徳川家康によって造営されたものです。

富士山の伏流水が湧く湧玉池

 本殿の東側にある湧玉池(わくたまいけ)は、富士山の湧水の1つです。富士山に降った水が溶岩流の隙間を流れ、末端で湧きだして池になりました。1日20万立方メートルもの豊かな水は池から神田川に流れこみ、市内を流れています。ちなみに、この溶岩流は大宮溶岩(富士宮溶岩)と呼ばれ、いまから約1万年前に山頂近くから噴出し、南西に向かって流れてきたものと考えられています。
 富士宮は富士登山の入り口でもあるため、かつて修験者(しゅげんじゃ)をはじめ富士講の登山者は、湧玉池で身を清めてから山に登りました。この池の水は透明度が高い上に、年間を通して水温13度という清涼さを保っているため、まさに禊(みそぎ)にふさわしいといえるでしょう。国の特別天然記念物に指定されています。


浅間大社に残された宝永噴火の目撃記録

 富士山本宮浅間大社には、浅間文書纂(せんげんもんじょさん)という史料が残されていています。その中の「富士浅間本宮社僧乗蓮院隠居の飽休庵による富士山噴火記」には宝永噴火の始まりの様子が生き生きと記述されています。
 それによると旧暦11月23日午前10時頃、富士山の南東方向の八合目付近から真っ白な蹴鞠のようなものが飛び出して空中をくるくると舞い、やがて雲となり南東の空を覆いました。また震動鳴動が続き、山麓の住民は家を捨て逃げ出す者もいました。
 夜になると富士山は大火となり、10丈(約30m)ほどの火山弾が飛び散るのが目撃されました。
 戸障子は一晩中鳴り続けているありさまで、また富士山が一晩中噴火しているので、富士宮付近は夜も行灯を必要としないぐらい明るかったそうです。


 富士山本宮浅間大社の奥宮(おくみや)は、富士山の頂上にあります。

 7月1日から8月末までの期間に新幹線新富士駅と身延線富士宮駅から運行される登山バスを利用すれば、表富士口五合目まで登れるので、一度は山頂にまで登って奥宮を訪れてみたいものです。八合目から上は大社の境内になっていて、毎年、8万人以上の参拝者が訪れます。

周辺散策MAP

現地までの交通

東名富士ICより西富士バイパス経由で約20分

電車

(1)新幹線新富士駅よりタクシーで約30分
(2)新幹線新富士駅~富士急行バス(約7分)~
JR富士駅~JR富士宮駅(乗車17分)、駅より徒歩10分

富士山本宮浅間大社の情報はここでも調べられます

■富士山本宮浅間大社

http://www.fuji-hongu.or.jp/sengen/index.html

■富士宮市

http://www.city.fujinomiya.shizuoka.jp/e-museum/fujiyama/furuback.htm
※HPに関する情報は、2009年2月現在のものです。HP製作者等の都合・事情等によって閉鎖・更新されるなど、ご覧になれない可能性もございますことをご承知おきください。

■交通などのお問い合わせ

富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市宮町1-1)
TEL.0544-27-2002
富士宮市 文化課 TEL.0544-22-1187