5.山梨県環境科学研究所(富士山火山防災情報センター)

北麓
コース
5

富士山、そして自然との共生を考える施設

 山梨県環境科学研究所は、人と自然の関係を「研究」、「教育」、「情報」、「交流」の面から支援する施設として、1999年に設立されました。山梨県民をはじめ誰でも自由に訪れることができ、子どもから大人までが楽しみながら富士山の雄大な自然や環境について理解を深められる拠点となっています。
 屋外には生態観察園や自然観察路が整備され、館内の環境学習室では「生態系」「地球環境」「日常生活」「山梨の環境」を学習できる参加体験型の機器が充実。環境情報センターでは、環境に関する図書の閲覧や、ビデオ、パソコンの利用もできます。また施設内の研究棟では、山梨の将来を見据え「自然と人との共生」をテーマに「自然」、「人」、「地域」の3つの分野から研究が進められています。
 こうした誰もが利用できる開放型施設としての機能に加え、この環境科学研究所は富士山に関わる重要な役割を担っています。それが火山防災の拠点となる「富士山火山防災情報センター」としての機能です。

「富士山火山防災情報センター」としての活動

 環境科学研究所では、「自然」を研究テーマとする自然環境・富士山火山研究部が、「富士山火山防災情報センター」として位置づけられ、活動を担っています。
 同研究部には、地球科学、動物生態学、植物生態学の各研究室が置かれ、その中で火山活動に関する研究を担当しているのが地球科学研究室です。ここでは、地球表層部の現象を物質循環システムとして捉えた、将来的な自然環境変動の予測を基礎テーマに、継続的な「富士山火山防災における観測及び情報の普及に関する研究」が行われています。
 この研究は、富士山の火山活動に関する情報の共有化を図ると共に、収集されたデータを基に、溶岩流をはじめとする富士山の火山現象を、富士山麓の地形・地質条件を考慮した上でシミュレーションすることを目的としています。特に環境科学研究所が位置する富士山北麓での、噴火規模に応じた溶岩流の到達範囲・到達時間の予測結果を視覚化した3D映像の作成をめざしています。
 こうした研究活動を通じて得られた観測情報、蓄積データ、研究成果は、関係機関との情報共有化により、富士山の噴火予知や防災対策、ハザードマップ作成等に役立つ基礎データとなっています。

火山関連情報と火山防災情報

 環境科学研究所では、ホームページ等を通じて「富士山火山防災情報センター」の紹介をすると共に、火山に関するさまざまな情報を発信しています。
 富士山火山防災情報では、富士山をはじめ火山に関する調査研究の文献検索ができる「火山文献データベースシステム」や、富士山各所の火山現象の跡や世界各地の火山の写真が見られる環境教育事業「富士山・火山写真展」などのページが用意されています。また過去に実施された教員向けの研修や、火山防災に関するシンポジウムなどの報告書も閲覧することができます。

 また火山関連情報のページでは、2007年時点における最新の火山学的な研究成果をまとめた学術書『富士火山(日本火山学会編)』を紹介。これは山梨県環境科学研究所が日本火山学会に依頼して編集委員会を立ち上げ、富士山の火山学研究者に各分野の総括的な論文を執筆依頼したもので、全29編の論文が収められています。富士山の地史、噴火史、構造、火山現象、防災・監視など多岐にわたる内容が収められており、ホームページからダウンロードして閲覧することができます。

周辺散策MAP

現地までの交通

中央高速 河口湖インター下車、国道139号(富士パノラマライン)を西湖・本栖湖方面に進み、約10分 富士宮市方面からは、富士宮道路経由139号線で河口湖方面に進む 富士宮市内より約45分

電車

(1)富士急行線河口湖駅よりタクシーで約10分
(2)富士急行線河口湖駅より、富士急行バス「富士山五合目」行き(季節により運行本数が変わります)

高速バス

新宿西口より高速バス、河口湖駅よりタクシー利用 約2時間40分

山梨県環境科学研究所の情報はここでも調べられます

■山梨県環境科学研究所

http://www.yies.pref.yamanashi.jp/

※HPに関する情報は、2009年2月現在のものです。HP製作者等の都合・事情等によって閉鎖・更新されるなど、ご覧になれない可能性もございますことをご承知おきください。

■交通などのお問い合わせ

山梨県環境科学研究所 TEL.0555-72-6211
富士急行吉田営業所 TEL.0555-22-7131