2.白糸の滝

西麓
コース
2

絹糸のような水のカーテン

 滝つぼを取り囲む高さ20mの絶壁から流れ落ちる絹糸のような水のカーテンが、幅200mにもわたって広がっているのが白糸の滝。
 昭和25年(1950年)の「観光百選滝の部」で1位になり、平成2年(1990年)には日本の滝百選にも選ばれている、日本を代表する名瀑です(国の名勝および天然記念物)。
 一般に滝といえば、川の流れが崖のところで落下するものを指しますが、白糸の滝では、川の流れがそのまま落ちている中央部を除いて、大半の水が崖の岩の隙間からわき出しています。崖の地層をよく見ると、崖の下半部は角れきを多く含んだ泥っぽい地層、上の方は玄武岩溶岩であることがわかります。白糸の滝の水は、この2種類の地層の境目からわき出しているのです。
 この水は、富士山に降った雨や雪がしみこんだものです。ですから、雪解けのころや富士山に大雨が降ったときは、滝の吹き出す勢いが急に強くなります。
 水温は11度。夏でもひんやりとして、涼を求める人で賑わいます。

図解 白糸の滝(CG4点とも/国土交通省富士砂防事務所)

富士山南西麓の豊かな自然をつくった「古富士泥流」

 10万年ほど前から噴火を始めた古富士火山(基本編 2.富士山のおいたち・歴史時代の噴火史参照)は、その後何度か大規模な山体崩壊を起こしました。崩壊した土砂は岩屑なだれや土石流となって周辺地域を覆いつくしました。これらの堆積物は一括して「古富士泥流」と呼ばれており、富士山南西麓の地形の基盤となっています。
 「古富士泥流」は水を通しにくいため、地下水はこの地層の上にいったん蓄えられ、下流で湧き出します。白糸の滝も含めた富士宮市や富士市周辺に豊富な湧き水があるのはこのためです。


 富士宮市の南方にある星山丘陵は、富士川河口断層帯に属する活断層のひとつである「大宮断層」の南西側が、断層のずれによって隆起してできた丘陵です。その証拠として、富士宮市街の地下深くにある「古富士泥流」の地層が、星山丘陵では山の上に分布しています。
 星山丘陵ができたことによって、その後富士山から流れ出した土石流や溶岩流が丘陵を乗り越えられなくなり、星山丘陵の手前の低地を埋めるようになりました。こうして、現在の富士宮市街地のある平らな地形がつくられたのです。

周辺散策MAP

現地までの交通

電車

(1)東名富士ICから西富士道路、国道139号を経由し、上井出ICを下り約5分(東名富士ICから約40分)
(2)中央高速河口湖ICから国道139号で約1時間、途中右折(標識があります)

バス

JR富士宮駅から白糸の滝行きバスで約30分

白糸の滝の情報はここでも調べられます

■富士宮市

http://www.city.fujinomiya.shizuoka.jp/kankou/meisho/index.htm

■国土交通省富士砂防事務所

http://www.fujisabo.go.jp/fuji_info/fudoshisan/108.html

※HPに関する情報は、2009年2月現在のものです。HP製作者等の都合・事情等によって閉鎖・更新されるなど、ご覧になれない可能性もございますことをご承知おきください。

■交通などのお問い合わせ

富士宮市役所 TEL.0544-22-1111